SWITCH apartment - home office, 2010

SWITCH apartment - home office, 2010
このプロジェクトは高密度都市住居における職住一体の新しい提案である。マンションの一室をホームオフィスに改修するプロジェクト。この建物はRC壁式構造で、ほとんどの壁は壊すことが出来ない。そこで事務所と住居の利用時間のタイムラグを利用し、簡単な操作で場所を変容させる家具を既存の3LDKに挿入することとした。挿入した2つの家具は、大きな扉をもっており、この扉を開く事でライブラリースペースが現れる。
ひとつ目のライブラリはダイニングに。壁面いっぱいの大きさの扉をスライドさせると、ライブラリが現れ、大きな扉は部屋の中央部まで動き、ダイニングをふたつに分割する。壁面側はライブラリ、窓側は事務所の会議室となる。扉にはダイニングテーブルを通過させる為の開口部があり、大きなテーブルを会議室とライブラリでシェアする事ができる。
もうひとつのライブラリーは主寝室内の書斎スペースにあり、扉を開く事で事務所と寝室の間の壁の穴が現れる。穴を通じて事務室からライブラリへのアクセスができ、事務所の拡張スペースとして使用できる。また、扉はベッドを隠すパーティションとなり、日常を包み隠す。
事務所と住居が別の場所にある時、住居と事務所の間には常にふたつの扉がある。そのふたつの扉を開いて人は労働と日常を切り替えている。このライブラリの大きな扉はそのような環境を変容させるスイッチのような存在となった。
  • Location

    : 東京都世田谷区
  • Year

    : 2010
  • Photgrapher

    : 濱田良平